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   寸法    W2cm     L3.2cm     H1cm
  



今でこそ、翡翠は日本から産出する宝石として知られておりますが、
昭和14年新潟県の小滝から再発見されるまで、
大陸からもたらされたものと考えられておりました。
その理由は、日本では縄文時代より装身具の材料に使われていた翡翠が、
仏教が伝来する頃には使われなくなり、長い間その存在を忘れられていたからです。

また近代においても、中国の清朝(江戸~明治)で作られていた翡翠の工芸品が広く知れ渡っており、
日本で再び発見されるまでは、翡翠は中国に由来するものと認識されていたそうです。

そんなに忘れられてしまうのかと、ちょっと驚いてしまいますが、
そこには致し方ない歴史的な背景があったようです。


今回の勾玉は、ざっと1000年ぐらいの間、忘れられていた日本の翡翠からできています。

画像をを見ていただくと、とても丁寧に作られていることが分かると思います。
表面もきれいに磨かれていて、カセたところもありません。
光にかざせば、光が透過し翡翠らしい景色が現れます。
狼汗のように透き通るタイプではございませんが、淡い緑の色あいは見所です。

頭部に刻まれた三本の線は、深さが1mmにもみたない溝になっています。
このような刻み目をもつものは丁字頭“ ちょうじがしら ”、丁字は香辛料のクローブのことで、
その似た姿から呼ばれるようになりました。
今回の丁字頭は彫りが薄く、写真に収めるのも一苦労でした。
これが装飾なのか用途があるのか分かりませんが
もしかすると単純化された伝統的なデザイン?なのかもしれません。
弥生時代の勾玉に良く見られます。

大きさも手頃で光沢もあり、感触も心地よいので、
アクセサリーに加工されても、手元で鑑賞されても楽しめるはず。
宜しければ、一度実物もご覧いただきたいと思います。


ヒスイ製勾玉           Magatama jade
3~6世紀 古墳時代   3-6th century, Kofun period









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2017.8.22