大きな ひすい製勾玉

L64mm
W38mm
D23mm
孔直径3~5mm
なかなか見かけることのない大きさです。
厚みもあり手に取った時の感覚も重量級です。
目にするところ全てが大きく見応えもあります。
全体的に白っぽく、少し青みをおびています。
最大で23mmの厚みですが、透光性があり、
ライトにかざせば淡く透きとおり青白色に変わります。
たいへんなめらかに研磨されており、
磨きだされた表面をついつい眺めてしまいます。
東京都板橋区には四葉地区遺跡があります。
そこの大型周溝墓から長さ74mmのかなり大きなヒスイ製勾玉が出土しております。
その勾玉は腹部から先端にかけて鉤状に湾曲しており、
弥生時代の勾玉らしさを感じられます。
今回紹介する勾玉とは少し形が異なります。
こちらは前方後円墳があちらこちらで造築されていた、
古墳時代と考えております。
当時の人たちも、この大きさに驚いていたことでしょう。
2019.10.09

柳葉形銅鏃

W 17mm L 61mm D 6mm 茎22mm
鏃(ぞく)は矢の先端につける矢じりのことです。
縄文時代から黒曜石などの石が用いられてきましたが、
鉄や銅などの金属で作られるようになります。
掲載した銅鏃は古墳時代のものです。
銅鏃はどれを見ても丁寧に仕上げられており、
無駄のない形が印象的です。
先端部に赤い錆がありますが、
古墳に副葬されていたのでしょうか、
おそらくは鉄製具の錆がついたもののようです。
素材は銅に錫と鉛を合わせた金属なので、
緑青がところどころでております。
合間に銀色に光る部分が見えます。
少し磨けば、すぐに当時の姿になりそうですが、
この状態が置かれた環境によるものか、
原材料の特性によるものか良く分かりません。
1000年以上も昔の金属が、
この状態で残されていることにも驚かされます。
実用にはもったいないような形状と思っておりましたが、
儀器としてつくられていたもののようです。
奈良県天理市の東大寺山古墳から
261点の銅鏃が見つかっております。
奈良県桜井市のメスリ山古墳からは、
8組の束状で236点の銅鏃が出土しております。
どちらも4c~半ば頃に造築された前方後円墳で、
その地域に大きな影響力を持つ豪族のもののようです。
2019.10.07